ベルクソン『笑い』の要点をわかりやすく解説|おかしさはどこから生まれるのか?

ベルクソン,アンリ

1859‐1941。19世紀末から20世紀前半のフランスを代表する哲学者。1928年、ノーベル文学賞受賞。第二次世界大戦のさなか、ドイツ軍占領下のパリの自宅で死去

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ベルクソン『笑い』の要点解説

本書はタイトルの通り「笑いを引き起こすおかしさはどこから生まれるのか?」について書かれています。

そしてこの「笑い」というのが「おかしさ」によって引き起こされる笑いに限定されています。

おかしさ一般について

笑いの根底には何があるのか?まずベルクソンがひとつ断っているのは「おかしさを生む空想力をひとつの定義に閉じ込めるつもりはない」ということです。

ベルクソンは「本来的に人間的であるもの以外におかしさはない」と言います。

例えば「ある風景」が、美しいとか、趣きがあるとか、崇高であるとか、大したことがないとか。そういうことはあれど、それが笑いを誘うということはないですよね。

動物を見て笑顔になることもありますが、それはその動物のなかの「人間的な部分」を見ておかしさを感じていると言えます。

人間を【笑う術を心得た動物】と定義した人は少なくない、と言います。

情況と言葉のおかしさ

情況(状況)や言葉のおかしさから笑うことは多い。先日、日本一の漫才師を決めるM1がありましたが、あれってまさに「言葉のおかしさ」から生まれる笑いですよね。

ベルクソンは、大人が転んでしまうこと、悪魔が飛び出すびっくり箱、喜劇で用いられるような糸で操る人形などの「情況」や、

文章を読んでクスっと笑ってしまうことや、つい口を滑らせてしまった言葉で笑うような「言葉」について例をだして、おかしさについて分析する。

性格のおかしさ

笑いというのが人間特有の特徴であることから、その人の性格(や特徴)もおかしさに繋がるというのも当然でしょう。

例えば、その人の「軽微な欠点」はおかしさを引き起こします。お笑い芸人さんが、ちょっと顔がブサイクだとか、ちょっと背が小さいとか、そういったことがイジられて笑いが起こるなんてよくあることですよね。

情況や言葉そのものが面白いというより、「その人が言うから」面白い。というのは身近にあることです。

増田 靖彦さんの解説

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光文社古典新訳文庫の訳者である増田 靖彦は、ベルクソンの言うおかしさが生まれるポイントを次の三つにまとめています。

  1. 人間的であること
  2. 心を動かされないこと
  3. 他人との接触が維持されていること

1番は先ほど書いた通り。

2番目の「おかしさ」というのはあくまでも、傍観者として笑えるということにフォーカスしているためです。例えば、見知らぬ人が電柱にぶつかったら笑えますが、知り合いがぶつかっていたら心配しますよね。

3番目は「おかしさによって引き起こされる笑い」は、孤立したところでは決して生じないということです。笑いが起きているその背景には、何かしらの仲間意識に基づく「共犯関係」が伴う。

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